夏の海。波の音が、まだ耳に残ってる。
海に行く日は、
家を出る前からちょっとだけ特別な気がする。
いつもより荷物が多かったり、
「忘れ物ないよね?」って何回も確認したり。
それなのに海が見えた瞬間、
そういう細かいことは全部どうでもよくなった。
「海だー!」
……って、たぶん普通に言った。笑
友達と来ると、こういうとき誰かしら急にテンションが上がる。
そしてだいたい、私もつられる。
海が見えた瞬間、もう待てなかった。
砂浜は思っていたより熱くて、
海風は思っていたより気持ちよくて。
色々準備したり、不安な事もあったけど、
海を目の前にしたら
早く入りたい気持ちの方が勝ってしまった。
なんだか子どもみたい。
でも夏くらい、それでいいのかもしれない。
気づいたら、普通にびしょ濡れ。
最初は足だけ、のつもりだった。
本当に。
「ちょっと水に入るだけね」
って言っていたはずなのに。
気づいたら普通にびしょ濡れになっていた。
波が来るたび逃げて、
友達に水をかけられて、
やり返して。
何がそんなに面白かったのか、
みんなでよく分からないくらい笑ってる。
でも、こういう時間ってたぶん
理由がないから楽しいんだと思う。
髪もぐちゃぐちゃだし、
自分の見た目を気にしてる余裕なんて全然ない。
それでも今日の中で一番好きなのは、
こういう時間だったりする。
きれいに残そうとした思い出より、
夢中になっていた瞬間の方が、
あとからちゃんと、その日のことを思い出させてくれるから。
楽しかった日は時間が気持ちを追い越していく。
いっぱい遊んで、
少し疲れて。
気づいた頃には、海の色も変わっていた。
さっきまであんなに騒いでいたのに、
夕方の海を見ると不思議と静かになる。
羽織りを着て、砂浜に座って。
波の音を聞きながら、
ぼーっと海を眺めていた。
楽しかった日の終わりって、
少しだけ寂しい。
「今日楽しかったな」って思えば思うほど、
帰りたくなくなる。
たぶん、ずっと続かないって分かっているから
夏の一日はこんなにきれいに見えるんだろうな。
明日になったらまた、
いつもの毎日。
でも今日はもう少しだけ、
潮の匂いと、
濡れた髪と、
友達の笑い声と、
夕焼けに光る海のことを覚えていたい。
今年の夏に、
ちゃんとひとつ。
「忘れたくない日」が増えました。