2026 夏を見送る夜。
夏が終わる。
そう言葉にすると、ほんの少しだけ寂しい。
暑い暑いって何度も言っていたはずなのに、
夕方の風が少し涼しくなっただけで、急に名残惜しくなるのだから不思議だ。
今年の夏の最後に、ひとりで線香花火をした。
大きな花火大会でもなくて、
誰かと賑やかに過ごす夜でもなくて。
ただ、静かな場所で一本ずつ。
それくらいが、今夜にはちょうどよかった。
小さな火を見つめる時間
【1枚目の写真】
線香花火って、こんなに小さかったっけ。
暗くなりはじめた空の下で火をつけると、
頼りないくらい細い一本の先から、突然たくさんの光がこぼれ出した。
ぱち、ぱち、と。
ほんの数十秒。
それなのに、見ている間だけは不思議なくらい時間がゆっくりになる。
スマホを見ることも忘れて、
次に何をしようか考えることもなくて。
ただ、小さな光が落ちないように見つめていた。
夏って、もしかするとこんな感じなのかもしれない。
始まったときには長く続くような気がするのに、
気づけば一瞬で終わってしまう。
「今年の夏、何してたっけ」
浴衣を着た日。
アイスを食べながら歩いた夜。
日差しが強すぎて、外に出た瞬間ちょっと後悔した午後。
何でもない日の夕焼け。
友達と海を楽しんだ日。
思い返してみると、大きな出来事よりも、
そんな小さな場面のほうが意外と残っていたりする。
たぶん季節の思い出って、
特別なイベントだけでできているわけじゃない。
その日に聴いていた曲とか。
夕方の空の色とか。
ふと吹いた風の匂いとか。
そのときには気にも留めなかったものが、あとになって急に懐かしくなる。
だから今年の夏も、
きっとまだ自分でも気づいていないところに、たくさん残っているんだと思う。
火が消れたあと
最後の一本が終わった。
さっきまで小さく輝いていた場所には、もう何もない。
でも、すぐに立ち上がる気にはならなかった。
【2枚目の写真】
少しだけ暗くなった空を見ながら、そのまま座っていた。
遠くの明かりがひとつずつ目立ちはじめて、
風もさっきより少し涼しくなっていた。
何かが終わる瞬間って、
終わったその瞬間よりも、そのあとの静けさのほうが寂しかったりする。
でも今日は、その寂しさも悪くない。
ちゃんと夏を好きだったから、
終わってほしくないと思えるのかもしれないから。
また来年。
もう少しだけ暑い日は続くだろうし、
明日になれば普通に夏服を着ていると思う。
それでも私の中では、今日が夏の最終日。
楽しかったことも、
何でもなかった日も、
少しうまくいかなかったことも。
全部まとめて、今年の夏。
また季節は変わっていく。
次はどんな服を着よう。
どんな景色を見よう。
そんなことを考えながら、今日は帰ろうと思う。
夏、今年もありがとう。
そしてまた来年。
おやすみ、2026年の夏。
—— AI-Ri